筋肉性腰痛と神経性腰痛の違いとは?症状、原因、対処法について

【整体師監修】筋肉性腰痛と神経腰痛について

筋肉性腰痛と神経性腰痛の違い

 

腰痛の原因には様々なものがありますが、その中でもメジャーなものとして筋肉が原因として起こる筋肉性腰痛と神経が原因として起こる神経性腰痛があります
ここでは筋肉性腰痛と神経性腰痛、それぞれで起こる痛み方やその他の症状、対処法などについて紹介していきます


筋肉性腰痛と神経性腰痛それぞれの原因とは?

 

まず、この2つの症状を比較する前にそれぞれの原因についてみていきます
筋肉性腰痛は厳密には筋・筋膜性腰痛症と言い、よくいう肉離れのことです
肉離れはスポーツなどで急激な力が加わった際に、部分的に筋肉が断裂してしまうことにより起こります

 

 

特に太もも周囲やふくらはぎで断裂することが多く、場合によっては剥離骨折を伴うこともあります

 

 

一方の神経性腰痛はなんらかの原因により神経が圧迫されてしまうことで起こる腰痛です
代表的な疾患としては椎間板ヘルニアが上げられます
椎間板ヘルニアとは腰の骨1つ1つの間にある椎間板が破裂し、中にある髄核が漏れだし、神経を圧迫してしまう状態です

 

 

圧迫の程度や圧迫箇所により症状の程度は異なりますが、重症の場合は手術を考慮する必要もあるほどです
また、神経性腰痛を招く原因は椎間板ヘルニアのみではなく、脊柱管狭窄症や馬尾神経腫瘍など恐ろしい疾患が背景に潜んでいることもあります

 

筋肉性腰痛と神経性腰痛の症状・痛みの程度の違いとは?

次に筋肉性腰痛と神経性腰痛の症状や痛みの程度の違いをみていきます
筋肉性腰痛の場合は発症した直後に激痛を伴うという点があげられます
突然筋肉が断裂した状態なので、断裂した箇所は腫れ上がり熱を持つことが多いです

 

 

ただし、筋肉性腰痛はあくまで筋肉のみのトラブルなので、痛み以外の目立った症状を起こすことはありません
筋力低下や感覚障害(痺れ、触られているのが分からないなど)、麻痺などの神経症状が出ることも基本的には余り無く、筋肉の状態が回復すれば元の生活を取り戻せるようになることは多いです

 

 

一方の神経性腰痛の場合は筋肉性腰痛とまた異なる症状を呈します
痛みに関しては人により異なり、ぎっくり腰のような激痛を訴える方もいれば、焼けるような痛み、痺れと痛みが混ざった感覚と話される方もいらっしゃり、多様な側面がみられます

 

 

しかし、その一方で重度に神経が障害された場合は脚の麻痺や尿や便に関するトラブルが起こることがあります
これらの症状がみられる場合は神経へのダメージが非常に深刻となっており、手術を行うかどうかを専門医と協議する必要があります

 

 

特におしっこが自力で出せない尿閉を呈している場合は命に関わる危険性もあります
尿閉の状態が続くと体内に毒素や老廃物が貯まり、医学的にも非常に危険な状態となるため、救急ですぐに病院を受診するべきです

 

 

神経性腰痛の可能性がある場合は痛みの程度などよりも、これらの危険な症状が該当しないかをチェックすることが大切です

筋肉性腰痛と神経性腰痛の対処法の違いを紹介

 

筋肉性腰痛と神経性腰痛では対処法が全く異なります
まず、筋肉性腰痛の対処法ですが、筋肉性腰痛の場合は突然筋肉を傷めたことが原因なので、とにかくそれ以上悪化させないように安静にすることが優先されます

 

 

また、痛みを軽減させるために冷やすことや圧迫措置などが行われることがあります
傷めた箇所は炎症を起こしますが、炎症はその部位を治そうとして体が起こしている自然な反応なので、なるべくこの反応を邪魔しないようにこれらの処置を行うことで治癒を早めるようにします

 

 

この他にも逆療法的に温めることで痛みを素早く改善させることも可能です
これは、温めることで傷めた箇所の炎症を促進させ、組織の改善を早めるといったものです
ただし、この方法は激痛を伴うこと、痛みや腫れの状態、スポーツ選手の場合は全身のコンディションを考慮して行う必要があるため必ず熟練のトレーナーやセラピストに相談しながら行うようにしましょう

 

 

神経性腰痛の場合は急激な痛みで症状が始まる方もいれば、麻痺などの身体の異常や尿や便のトラブルが出現する方もいます
痛みのみの場合はどの程度が神経の圧迫から来ている痛みなのか、また本当に痛みが神経の圧迫により起こっているものなのかを確認する必要があります
痛みの原因は神経の圧迫により起こると考えられがちですが、実際は神経の圧迫により痛みが起こるかどうかはよく分かっていません

 

 

例えば、椎間板ヘルニアの場合はヘルニアの症状がある方と全く症状がなく元気な方をそれぞれ検査してみたところ健常者の多くにもヘルニアが見つかったという報告があります
このため、「ヘルニアがある=痛みが出る」と短絡的に結びつけることは難しく本当にヘルニアなどによる神経の圧迫が原因で痛みが生じているかどうかを熟練の医師やセラピストに確認してもらうべきです

 

 

ただし、麻痺や尿・便のトラブルが生じている場合は神経へのダメージが重症化している可能性が高いです
この場合は手術などで神経への圧迫を取り除くことで症状が劇的に改善するケースもみられます
同じ神経性の腰痛でも症状により対処法が全く異なるため、診断名よりも今主に気になる症状は何か、それがなぜ起こっているかを冷静に考えて専門家の意見を聞くようにしましょう