腰痛と食生活の関係と腰痛改善に必要な食事のポイント

腰痛を改善する食生活について

腰痛改善食事

 

腰痛に限らず何か病気になると
『あの食材が良い』
『こういった食事が効果的』

という意見を聞くことは多いですよね

 

 

では、腰痛になった際はどのような食生活が効果的なのでしょうか?
また、そもそも腰痛と食生活に関連はあるのでしょうか?

 

 

ここでは、腰痛と食生活に関する様々な疑問についてお伝えしたいと思います


腰痛と食生活に関するエビデンス

 

まず、腰痛と食生活に関するエビデンスの現状を紹介させて頂きます
エビデンスとは医学的根拠にどの程度基づいているかを示す指標であり、厳密な研究を行うことでエビデンスが高い治療と認められます

 

 

では、腰痛と食生活に関するエビデンスはどうなっているのでしょうか?

 

 

実は腰痛に効果的な食生活に関する十分な検討はまだ行われておらず、腰痛と食事に関する質の高い研究は十分ではありません
腰痛治療のベースとなる腰痛診療ガイドラインにおいても食生活に関する記載は非常に少なくまだまだその情報が充実しているとは言えない状況です

腰痛診療ガイドラインが発表した食生活と腰痛の関係

しかし、腰痛診療ガイドラインに食生活に関する記載が全く無いわけではありません
腰痛診療ガイドラインでは食生活において注意すべき指標として血清脂質濃度を上げています

 

 

血清脂質濃度とは血液の中の脂肪の濃度であり、以下の3つの内いずれかに該当すれば脂質異常症と診断されます

  • LDL-コレステロールが140mmHg未満
  • HDL-コレステロールが40mmHg以上
  • 中性脂肪が150mmHg未満

また、LDL-コレステロールが140mmHg未満であっても120~139mmHgの場合は境界域と呼ばれる状態です
境界域に該当し、高血圧や糖尿病など将来脂質異常症を招くリスクの高い疾患に該当する場合は治療の必要性が出てくることもあります

 

 

血清脂質濃度が高い場合、腰だけではなく下肢に広がるような痛みを伴うリスクがあると発表されています
一般的に腰だけが痛む腰痛よりも下肢に広がる腰痛は症状が重篤化していることが多く、腰痛の重症化を防ぐためにも血清脂質濃度をコントロールすることが非常に重要です

現代人が抱える深刻な脂質の問題

腰痛に悪い脂質

また、現代人にとって脂質の問題は非常に深刻です

 

 

良質な脂質は本来体を構成する上で必ず必要なもので、細胞膜や脳の材料として脂質は活用されます
しかし、現代人の多くは良質な脂質の摂取量が不足し、反対に劣悪な脂質を過剰摂取しやすいという一面があります

 

 

例えば、多くの方が摂取している劣悪な脂質の代表にトランス脂肪酸と呼ばれるものがあります
トランス脂肪酸とは、安価なサラダ油やマーガリンなどに大量にふくまれていますが、これは植物油脂に水素添加と呼ばれる過程を通して作られる人工的な油です
トランス脂肪酸の化学構造はプラスチックに酷似しており、人体を構成する成分とは言えず、ヨーロッパやアメリカの一部の州ではその発売が禁止されている程です

 

 

トランス脂肪酸を取りつづけると脂質異常症を始め、糖尿病や高血圧、心疾患、うつ、リウマチ、アレルギー、慢性疲労、最悪の場合はガンなどを招く可能性もあると言われています

 

 

腰痛に悩み、脂質異常症を患っている、あるいは外食やお弁当などの買った食事が多く、トランス脂肪酸の過剰摂取になっている場合は、まずトランス脂肪酸の摂取量を減らし、良質な脂質を摂取するように食生活を見直す必要があります


脂質異常症を改善させるための食生活

脂質の値が高い場合は食事や運動の習慣を見直します
運動に関してはウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動が有効という意見があるため、日々の生活に有酸素運動を取り入れます

 

 

また、定期的な運動は腰痛の予防や改善といった面でも有効です
特に、以前は腰痛になった際は安静臥床が勧められていましたが、現在では腰痛になっても可能な範囲で活動することが推奨されています

 

 

食事に関しては脂質の値を改善させるために油の取り方をまず見直します
先ほど紹介したトランス脂肪酸は多くの食品に植物油脂やショートニングという名称で使用されています
また、お惣菜などの揚げ物もトランス脂肪酸を使って行われている可能性が高いです

 

 

このため、外食や買ってきた食品を食べる機会が多い方はまず自炊する頻度を増やします
どうしても自炊が難しい場合は食品にこだわり作ってくれるお店を見つけることも大切です

 

 

そして、トランス脂肪酸の代わりに良質な脂質を摂取することを意識します
中性脂肪が高い方は青魚に多く含まれているDHAやEPAを、LDL-コレステロールが高い場合はオレイン酸を多く含むオリーブオイルなどの植物油脂を積極的に摂取しましょう

 

 

注意点として、植物油脂の多くは熱に弱く酸化しやすい側面があります
このため、オリーブオイルなどの植物油脂はなるべくそのままサラダなどにかけて食べるようにしましょう

コラーゲン、カルシウムも腰痛改善に効果的?

脂質の他にも腰痛と関係するとされる栄養素はコラーゲンとカルシウムです

コラーゲンと腰痛

コラーゲンは美肌作りに欠かせないタンパク質の一種ですが、腰のすり減った軟骨や椎間板を回復させてくれ、腰痛を軽減させるとも言われています
ただ、実際はコラーゲンを摂取しても体内で分解されてしまい、それが本当に腰痛改善に役立っているかは不明確な部分もあります

 

 

人によっては効果を発揮すると言われ、特に副作用があるわけではありませんので試す価値があります
ただ、医学的根拠には乏しいということを把握しておきましょう

カルシウム

カルシウムが腰痛に効果的とされているのは骨粗しょう症による腰痛対策になるからです
骨の歪みを引き起こす骨粗しょう症は中高年に特に多いのですが、食生活の悪化から若い世代でも増えていると言われます

 

 

骨を丈夫にするにはカルシウムはもちろん相互に働く関係のあるビタミンD、マグネシウムの摂取も忘れないようにしましょう

 

食生活を改善する事は腰痛だけでなく体全体の健康にプラスに働きます
ストレスなどが原因の心因性腰痛もありますので腰痛単体で見るのではなくて体全体の事を考えて毎日の食事を摂りたいものですね^^